自分史で表紙写真を撮る価値
カテゴリー:ブログ
投稿日:2019年01月11日(最終更新:2021年04月09)
「親の雑誌」は、雑誌風に自分史を作ることが特徴です。
通常は訪問取材時に撮影させていただいた親御さんのポートレイトを表紙にさせていただきます。
これが大変好評で、まさに世界に一冊しかないその方の雑誌が出来上がった実感をお持ちいただけるわけです。
自分史のために撮影することの価値
出来上がりも大変好評ですが、実は自分史の為に「撮影すること」自体にも価値があると、取材時によく感じます。
カメラマンに自分ひとりだけに集中して写真を撮られることって、人生そうそうないですよね。
あったとしても写真館でとる記念撮影のようなもので、堅苦しい雰囲気ですし、2,3枚とっておしまいではないでしょうか。
私たちの場合は、まさに自分が主役として、さまざまなポーズでしっかりと写真を撮らせていただきます。
ちょっとした俳優気分、といったら言い過ぎでしょうか。でもそれくらい盛り上がっていただくことも珍しくありません。
盛り上がる、といいながらも、私たちは、その方のご自宅で取材をすればご自宅やお庭をバックに撮影させていただくので、リラックスした形で撮影できることが多いです。
しかも、その方についてはある程度知ったうえで、時間によっては自分についてお話いただいたうえで写真を撮るので、信頼関係も出来上がっているわけです。
そうなると写真も自然で、よい表情の写真が撮れます。素敵な笑顔の写真が多いのも私たちの特徴です。
世間でも評価の高いポートレイトのカメラマンさんは、もちろん技術もありますが、話術や信頼関係を作るのがうまい人が多い、と聞いたことがあります。
私たちの写真撮影も、「聞き上手」を通じて信頼関係を構築したうえでレンズを通すので、よい写真が撮れるのではないかと思います。
ご家族が同じような写真を撮ろうと思っても、意外と難しかったりもするのです。
自分史の写真には、味がある
そして、そんな風に撮った写真についてです。
もう650名ほどの方々の、高齢の方の写真を撮ってきたわけですが、改めて顔に歴史が出るなと感じます。
正直なところ、お年を召した方のお写真であればあるほど、撮る方も楽しい。
やはり90歳の方には90歳の方にしか作れない顔があるのだな、と感じます。
ずっと笑顔で過ごしてきた方には目じりに素敵なしわができますし、
真剣に仕事に向き合ってきた方の目力は引退しても早々衰えるものでもありません。
高齢の男性の中には、笑顔を作るのが苦手な方も少なくありません。
そんな方が時折見せるはにかんだ笑顔はとても素敵ですし、しかめっ面のお写真でも、ご家族からすればいかにもその人らしいと感じます。
そういった写真から伝わる、その人らしさが味わいにもなるのです。
素敵なお顔だな、できればこんな顔になれるような生き方をしたい。
そんな風に勇気づけられて取材から帰ることも珍しくありません。
証明写真のような真正面からでない形で、多面的にその方を捉えて形に残せること。
ここにも自分史を雑誌風に作る価値があるのだな、と毎回思っています。
株式会社こころみ 代表取締役社長 神山晃男