読むたびによみがえる声や情景がある
お申込者であるお子様(K.M様)にお話を伺いました。
【K.M様プロフィール】
東京生まれ。接客業・企画の仕事、リトミック教室運営、保育の仕事に携わる。31歳、28歳、24歳(2024年現在)の3人の母。
―『親の雑誌』を制作したきっかけを教えてください
私の祖母の自分史がきっかけです。祖母の子どもが作ったのですが、100ページほどの立派なものでした。祖母の日記を軸に、知り合いからの手紙や、知り合いから見た祖母の話が掲載されていました。その自分史は、作り手や周囲の思いが見えるというか、愛情を感じられる、温かいものだったんです。それを見て、私も父の自分史を作りたいと思うようになっていました。父の若いころや、仕事のこと、断片的に聞いていた話をつなげたい、まとめたい、父のことをもっと知りたいと思いました。私は父のことが大好きなんです。だから、父に対して私の思いをまとめ、形にしたものがほしいという、自己満足的な気持ちもありましたね。
そうして、退職してすぐ時間ができたこともあり、前々からやりたかった父の自分史作りを始めました。
―『親の雑誌』を作りたいと伝えたときのお父様やご家族の反応は?
父は仕事の関係上、表に出ることに慣れていたので、取材されたり、雑誌に掲載されたりすることに抵抗がなかったようです。作りたいと伝えたときは「うん、いいよ」という感じでした。説得しなくてよかったのは楽だったと思います。
母からは、準備を急ごうとしたら予想していない言葉が返ってきました。「私たちはまだ死なないから大丈夫よ。だから慌てないでちょうだい」と。母は「人生の終わり」を意識したようです。そういうふうに思うのだと知りました。私は、母の気持ちを考え、父のことをまとめたいという私の気持ちと「作る過程を通して、みんなが楽しめる」ものだからと伝えました。
きょうだいたちからは「ありがとう」と言ってもらいました。父のこれまでのことを形にしたいという思いはきょうだいにもあったんですね。相談にのってくれたり、写真選びなども全面的に協力してくれたので、私も「ありがとう」という気持ちです。家族メッセージ(『親の雑誌』にはご家族からのメッセージを掲載できるページがあります)はきょうだいで考えました。
―『親の雑誌』制作を通して感じたことがあれば教えてください。
両親と一緒に暮らしているわけでないので、両親の家に行って準備することが大変でした。数年前、両親が引っ越したときに、父の著作や会社関係の資料を整理しようと保存していたんです。年表はそれをもとに作りました。
年表の作成や写真選びなど、全部を自分たちでやらないといけないのも大変でしたね。アルバムが数十冊もあるのですが、両親は高齢ですし、父は認知症でもあるので、写真を選ぶことが難しくて。でも、私には、どれが父の心に残る写真なのかわからないんです。私は父がいい表情をしている写真を載せておきたいし、保存しておきたい。だからひとつひとつ見ていきました。
それでも、写真がいつのものなのか、年表やインタビュー原稿の内容が正しいのかは、父でないとわからないことがあります。母にも写真選びに協力してもらいました。父は写真ひとつとっても、母に何度も同じような質問をするので、疲れてしまうこともあったようです。両親が「親の雑誌」を作ることを面倒に感じ「こんなことやめたい」と言わないよう無理に進めないよう気を付けました。
―『親の雑誌』が完成したときのお父様はどのようなご様子でしたか?
父は、文字原稿を確認するときから何回も読んでいました。普段はすぐに疲れてしまうので、ごく短時間しか読書できないんですけどね。認知症の影響もあるのか、感想は聞けていませんが、読み終わると最初に戻ってまた読み直して、と何度も読んでくれています。目の前にあるとずっと読んでいるんですが、感想が聞けないことは残念ですね。
―完成した『親の雑誌』を読んで感じたことはありますか?
私は、父が言ったことを、言ったままの言葉で残したかったんです。父が何度も言っていたことを載せたいと思っていました。父が私に向けて細切れにしゃべったことは、父と私にしかわからないことなので、客観的に読むとよくわからない内容があったかもしれません。でも、父の言葉をそのまま載せることで、私は思い出がよみがえるんです。父の雑誌を読んでいると父の声が聞こえてくるんです。読むたびによみがえる声や情景があるものができたことがありがたかったです。だから、文字原稿を読んだときから、とてもうれしかったんです。『親の雑誌』に頼んで良かったと思いました。
孫たち(子世代)も父がいろいろな仕事をしていたのは知っていて、「私はおじいちゃんみたいになりたい」と言っていたんです。でも父が具体的にどんなことをしてきたかは伝えられていなかったので、それが残せたのも良かったです。
―自分史作成サービスの中から『親の雑誌』を選んだ理由はなんですか?
ウェブ広告やウェブサイトが温かい感じだなと思い問い合わせました。そうして誠実なお返事をいただけたことでしょうか。何度か質問しましたが、最後まで誠実に対応してもらいました。
自分だけで父の自分史を作ることはできなかったので、『親の雑誌』というサービスがあって助かりました。制作には時間も手間もかかりますが、出来上がったものに満足しています。
ご利用者様の許諾をいただいて掲載しております