静かなブームとなっている日記|「書く習慣」が人生を紡ぐ
カテゴリー:ブログ
投稿日:2026年01月14日(最終更新:2026年01月14)

スマートフォンで簡単にメモが取れる時代。それなのに今、あえて「手書きの日記」を書く人が増えています。日記を書くことが若者から高齢者まで幅広い世代で静かなブームとなっているのです。
今、なぜ日記がブームなのか
「日記界隈」という言葉をご存じでしょうか。これは、日記を書き、その内容や手書きのページをSNSで共有する人々のことを指します。実はこの言葉、「SHIBUYA109 lab. トレンド予測2025」の「モノ・コト部門」にもランクインした、注目のキーワードなのです。
従来の日記は「他人に見せないもの」でしたが、Z世代の日記は真逆。あえて日々の出来事を手書きで記録し、そのページをSNSで共有するスタイルが主流になっています。この「日記界隈」と呼ばれる文化が火をつけたのが、新潮社の『マイブック』です。
日付と曜日だけが印刷された白い文庫本のようなこの日記帳。若者たちが『マイブック』に書いた手書きのページをSNSに投稿したことがきっかけで、異例のヒットとなりました。2025年上半期のベストセラー文庫部門で11位にランクイン。21年ぶりに12万部を突破し、5度の増刷を重ねています。実際に、15~24歳の若年層女性の読者は昨年比146%増加という驚異的な伸びを見せました。
さらに、2026年のもう一つのトレンドが「日付フリー」の手帳です。日付が印刷されていないため、自分の使いたいタイミングから始められる自由さが人気の理由。毎日書くことに縛られず、自分のペースで続けられることが支持されています。
なぜ今、これほどまでに日記が注目されているのでしょうか。
背景には、コロナ禍以降に見直された「自分と向き合う時間」があります。そして、AI時代が本格化する中で、「自分はどうしたいのか」という問いに、人々が自然と向き合うようになったことも要因です。デジタル全盛の時代だからこそ、あえて紙とペンで自分と対話する。その行為に、意味を見出す人が増えているようです。
「記録」から「内省」へ―ジャーナリングという新しい日記
日記ブームはさらに進化しています。2025年のトレンドは「ライフログ」でした。これは、健康記録や気持ちの変化、日々の出来事を記録する方法です。しかし2026年は、記録したことをさらに内省して自分に向き合う「ジャーナリング」が注目されています。
ライフログや日記が「出来事の記録」なら、ジャーナリングは「心の記録」。自分の内面に重きを置く点が大きな違いです。
ジャーナリングとは、自分の気持ちや考えを紙に書き出すことで、思考や感情を整理する習慣のこと。特定のルールはなく、自由に書くことができます。「今日は何だかモヤモヤする」「あの人の言葉が心に引っかかっている」そんな漠然とした感情も、書き出すことで整理され、自分でも気づかなかった本音が見えてくることがあります。
実は、この効果は科学的にも実証されています。スタンフォード大学やプリンストン大学の研究では、感情を書き出すことでストレスホルモンが減少し、免疫機能が向上することが明らかになっています。また、ポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマン博士の研究では、毎日3つの良かったことを書く習慣を3週間続けた人は、幸福度が有意に上昇し、その効果は半年後も持続したという結果が出ています。
連用日記が紡ぐ、過去・現在・未来
日記から自分史へのつながりを考えると、おすすめは「連用日記」です。
連用日記とは、同じ日付のページに複数年分(3年、5年、10年など)を記録できる日記のこと。たとえば5年日記なら、1月15日のページに、2026年から2030年までの5年分を書き込んでいきます。
この日記の魅力は、過去の自分と自然に出会えることです。
2年目の1月15日に日記を開けば、1年前の自分が書いた言葉が目に入ります。「そういえば去年も同じようなことで悩んでいたな」「あの時できなかったことが、今年はできるようになっている」そんな発見が、日々の中に溢れています。
連用日記は用途によって年数を選ぶことができます。3年日記は育児や新生活など短期の記録に、5年日記は健康管理や趣味の継続に最適です。
毎日数行でも、5年続ければ簡単な自分史になります。「今日、孫が初めて一人で歩いた」「庭のバラが今年も咲いた」「体調を崩して病院へ」そんな何気ない一行一行が、振り返った時に人生の物語として浮かび上がってくるのです。

日記から自分史へ―小さな記録が人生の宝物になる
親の雑誌(自分史)を作る際、多くの方が「昔のことをなかなか思い出せない」とおっしゃいます。特に70代、80代になると、記憶が曖昧になることも少なくありません。
そんな時、日記があれば大きな助けになります。
日記は記憶の補完装置です。「あの年の夏は暑かったな」という漠然とした記憶が、日記を開けば「8月15日、気温38度。孫と一緒にスイカを食べた」と具体的な場面として蘇ります。インタビューの際にも、日記があることでより豊かなエピソードを引き出すことができるのです。
また、日記そのものが家族への贈り物になります。几帳面に書かれた日記でなくても構いません。走り書きのメモでも、そこには確かに生きた証が刻まれています。お父様やお母様が毎日どんなことを考え、何を大切にして生きていたのか。その記録は、ご家族にとってかけがえのない財産となるでしょう。
書くことで人生がより豊かになる
日記を書くことは、自分と対話する時間を持つことです。
忙しい日常の中で、立ち止まって自分の心を見つめる。良かったことに目を向け、感謝を言葉にする。そんな小さな習慣が、人生をより豊かに、より幸せにしてくれます。
そして、その積み重ねはやがて自分史という形になります。日々の小さな記録が、人生という大きな物語を紡いでいく。それは、未来のご自身やご家族への、最高の贈り物になるはずです。書くことで人生を振り返り、書くことで明日へと繋げていく。そんな習慣を始めてみませんか。
『親の雑誌 電子版』の紹介

『親の雑誌 電子版』は、家族のための自分史作成サービス『親の雑誌』から生まれた、人々の人生を綴ったデジタルメディアです。
『親の雑誌』を作成した方々の人生を、親御様の生きてきた人生の価値を、離れて暮らす家族や親せき、友人と共有することができるだけでなく、さらに、いろいろな方に読んでいただけるよう掲載しています。 全ての人にはかけがえのない価値があり、その人が歩んできた人生は、たくさんの出会いで誰かの人生とつながり、この時代を織りなしています。
お一人お一人が生きてきた人生に、ぜひふれてみてください。