【 回想法 】昔を懐かしんで脳の健康を維持|自宅で手軽にはじめるポイントとツールを紹介
カテゴリー:ブログ
投稿日:2022年09月01日(最終更新:2022年09月02)
回想法 という言葉を聞いたことはありますか?
回想法は、認知症の進行を抑える療法のひとつで、高齢者の認知症予防や認知症患者の心理療法やリハビリテーションに活用されています。また、認知症の進行を抑えるだけでなく、シニア世代や中高年の脳を活性化させストレスを軽減する効果があるとも言われています。今回は、回想法とその効果、そして自宅で手軽に取り入れられる回想法について紹介します。
回想法 とは
回想法とは、認知症のリハビリテーションに用いられる心理療法で一つで、認知症の進行を緩やかにしたり認知症の予防に活用したりと、その効果が期待されています。1960年代にアメリカの精神科医であるロバート・バトラーによって提唱されました。回想法は、長期記憶である昔の出来事や感情を思い出すことが特徴です。認知症の方は、短期的な記憶があいまいになったり、新しく起きた出来事が覚えられない、すぐに忘れてしまうなど、最近の記憶を保つことは困難ですが、昔の記憶は保持されています。回想法では、写真や音楽、昔使っていた懐かしいものに触れて過去を振り返り、昔の経験や思い出を他者と語り合うことで、脳を刺激し活性化します。特別な道具を使用する必要がなく、すぐに始められる手軽さもあり、特別養護老人ホームやデイサービスセンターだけでなく、公民館や地域センターなどでレクリエーション活動として取り入れられるなど、自治体での導入も進んでいます。
回想法 で期待される効果
昔のことを思い出して言葉にする回想法では、さまざまなメリットが期待されています。
回想法 の実践方法
回想法には、マンツーマンで行う個人回想法と、10人前後で行うグループ回想法がありますが、ここでは個人回想法について紹介します。個人回想法は、語り手と聞き手が一対一で回想する方法です。語り手は認知症を発症した本人または認知症予防をしたい人で、聞き手は医療従事者や福祉介護のスタッフだけでなく家族が行うこともできます。基本的に特別な道具を使う必要はありませんが、思い出を引き出すために写真や映像や音楽などを使うこともできます。聞き手が語り手の話にじっくりと耳を傾け、受容的な態度で話し手の過去の思いを共感しながらコミュニケーションを重ねることがポイントです。
回想法 に役立つツールを3つ紹介
NHK|回想法ライブラリー
施設や家庭で手軽に回想法を行えるように、NHKに保管されているむかしの番組やニュースの映像を提供しています。
▶NHK回想法ライブラリー
明治安田生命グループ|すぐに役立つ回想法ツール
すぐに役立つ回想法ツールとして、懐かしの動画や、思い出の大横綱・昭和の家電製品などの画像、昔遊びや童謡などの情報を提供しています。
▶すぐに役立つ回想法ツール
介護レク・介護予防体操 情報サイト|FUN SEED
日常で簡単に取り入れることができる回想法を取り入れた認知症予防レクリエーションとその方法を紹介しています。
▶介護レク・介護予防体操 情報サイト|FUN SEED
昔の出来事や感情を思い出して過去を懐かしむことは、認知症の進行を抑えるだけでなく、シニア世代や中高年の脳を活性化させ、ストレスを軽減する効果があるとも言われています。仕事や友達・職場の人間関係で疲れた時など、家族と思い出話をしたり、アルバムをめくってみたり、思い出の音楽を聴いてみたりしてはいかがでしょうか。
回想法 と『親の雑誌』の関連性
実は、『親の雑誌』には回想法との深い関連性があります。
『親の雑誌』は、「インタビュー」「写真選び」「年表・プロフィール作成」など、親御様が自らの人生と経験を思い出し、振り返り、語ることで完成するコンテンツで構成されています。多くの親御様が回想法で期待できる効果(自分への自信と誇り、感謝と穏やかな気持ち、家族間の信頼関係など)を、『親の雑誌』制作を通じて感じていらっしゃいます。
インタビュー
インタビュー取材で人生を振り返りながら話し聞いてもらうこと、それ自体が楽しい体験です。思い出の追体験は親御様をよりいっそう元気にしてくれます。
写真選び
掲載する写真を準備するために、幼少期から現在までのアルバムを見返して思いを馳せる体験は、幸せに過ごした瞬間を再発見させてくれます。
年表・プロフィール作成
出生から今に至るまでの歴史を、年表とプロフィールで後世に残し伝え続けます。過去を振り返ると同時にこれからの生きがい発見にも繋がります。
自分の人生を語ることが楽しい、人生が自分史という形になって誇らしい、親子のコミュニケーションが嬉しい、そんな特別な経験を『親の雑誌』で体験してみませんか?