親の雑誌ブログ

自分史(親の雑誌)取材担当者のご紹介 Vol.3

人はどんな生き方でもいいんだなと思いました。そのことをすごく実感しました。どんな生き方でもいいんだって。

自分史作成サービス「親の雑誌」では、2015年5月のサービス開始以来700人を超える親御様の自分史作成をお手伝いしてきました。今回は、自分史制作に関わるスタッフの中から取材や原稿作成を担う「竹山真奈美」をご紹介します。

東京都で生まれ、その後は神奈川の江の島で育った。
両親とも絵が好きで、父は日曜大工も得意。自身も自然と絵や本が好きなる。
絵の道も考えたが、思案の末に大学は国文学を専攻。
大学卒業後はテクニカルライターとして取扱説明書を書く仕事に従事。
その一方で女性誌などでイラストの仕事も手掛けてきた。

自分史の取材

こころみとの出会い

-絵と文章と子育てがこころみの仕事につなげてくれた

結婚して会社を辞めたあとも、絵を描く仕事はフリーで続けていました。あるとき、作曲家の先生と一緒に組む仕事を頼まれたんです。作曲家の先生が譜面を作るのに、その曲のイメージとか、その方の人生を聞いて、私が印象を受けたものを絵にしたりしたんですね。それを絵本みたいなものにして一緒にして出すっていう仕事がきたんです。その方は年配の女性で、ご自宅に伺って曲や人生についてお聞きしていました。ピアノの先生もやってらして、「人にものを教えるときには、その人の持っているその人の言葉で教えないと。自分の価値観と自分の方法で伝えても伝わらないのよ」っていう話をしてくれて。ピアノを教えるときにも、その子が小さかったら、手首の返しが分からないときは「階段をたたきながら上ってみなさい」って言ったり、そうやって自分の生活に根差した動作や分かっていることで教えてあげる、それが必要って言っておられたんです。

かつて私は自分の子育てで難しい時期があって、自分の言っていることが子どもに全く伝わらないし、どうしようって思ってたときに「あ!」と思って。そう、私は自分の価値観と自分のやり方でしか子どもに言ってなかった。その子なりの世界との関わり方で話さないと伝わらないんだなっていうのをすごく思ったんですね。その仕事のときに、人の話を聞いて面白かったのと、その人の人生を語ってもらったことがすごく楽しくって、「こういうの面白いな」と思ったんです。で、もともと文章を書くのが得意だったから「書いてみようかな」と思って。

そのときに、たまたまこころみのことを知ったんです。対象者が高齢者の方だとか、人と話すこととか、トータルして考えると「私向けの仕事じゃないの?これじゃん!」って思ったんですよね。このとき、聞き書きの講座にも興味があったので、先にそちらに行ってやり方をつかみました。それで、講座が終わったときにちょうどこころみがコミュニケーターを募集してたんです。

親の雑誌の仕事の面白さ

自分史の取材風景

-常に初心を忘れずに。ほどよい緊張の中に楽しさとやりがいがある

高齢者の話を聞くというのは、必要な仕事ですし、ボランティアではよく見かけます。でも、こころみではそれを事業としてやっていて、その点が面白いなと思った。いかにもな介護の会社ではなさそうなところにも興味を覚えました。

コミュニケーター研修を受けた直後は、こんな難しいことを私はやってけるのかという不安に駆られましたね。実際にやってみて、はじめは電話をかけるのがすごく怖かったです。電話は1対1ですからね。電話しようと思うとどきどきしてしまって、この日にかけようって思ってた日にできず、次の日に延ばしたこともありました。すごい決心してかけたのに相手が出てくれなかったときとかは、半分ほっとしたりもしてました(笑)。

今はだいぶ慣れましたが、それでも緊張はします。絶対、緊張はなくならないと思うんです。でも、緊張はなくならないほうがいいとも思うんです。訪問取材や電話取材で何回同じことをやっても、「これ忘れてないかな」とか「これを聞いたほうがいいかな」と毎回どきどきしながら準備しています。その緊張感が大事なんだと思いますね。

-親御さんたちは、過去の人ではなく「未来から来た人」

これまでに本当にたくさんの方の人生をお聞きしてきましたが、どの方もお話を聞くかせていただいてよかったと思います。人はどんな生き方でもいいんだなと思いました。そのことをすごく実感しました。どんな生き方でもいいんだって。

これだけ人の人生を聞くことってないですよね。自分が生きてきて子どもを育てるのに「これでいいんだろうか」って思ってた時期だったのもあって、「どんな人生でもOK」っていうので自分を励ましたという面もありますね。いろんな方のお話を聞くことで、自分が勇気づけられたり、元気づけられたりしています。

「親の雑誌」でお会いする高齢の親御さんたちは、過去の人というのではなく、むしろ未来から来た人だと思うんです。家族を亡くしたり病気をしたりと、私がこれから体験するであろう事柄に対して、どうしてきたかとか、どういう気持ちだったとか、その対処方法を教えてくださる。

自分が女性ということもあって、女の人の生き方に興味があるし、共感しますね。主婦の方だと、「私の人生なんて」とか「大したことやってないし」とか言われる方が多いんです。まだ女性が仕事を持って生きることが少なかった時代の方が多いので、結婚して家庭に入ってからは「別に何をしたわけでもないし」って謙遜なさる方が多いんです。でも、そうして重ねてきた人生の1日1日に価値がある。私には、その方の人生がキラキラしたビーズのような毎日を年月という糸に通してできたすてきなネックレスのように見えるんです。

「親の雑誌」の作成を通じて関わるのは短期間ですが、一緒に人生のことを考えて、「こんなにすてきな人生を歩んでこられたのですね」という思いを雑誌に込めてお渡しできたらと思っています。ご本人は大したことないと思っていたことが、実はかけがえのないものだということにも気がついてもらえたらうれしいですね。

「親の雑誌」には担当者が編集後記としてコメントを書かせていただくのですが、そのときはその先の人生の生きる気力になるような言葉を添えて、その方へお手紙を出すような気持ちで書くようにしています。そして、その方の世界観をくんだ言葉で書くことを心がけています。

-「親の雑誌」の取材で心がけていること

取材で気を付けているのは、親御さんが触れてほしくないような部分は察知しながらお話を聞くようにしていますね。あと、同席のご家族がいる場合、かえって話しづらいという方もいらっしゃいますから、そこは難しいですね。本当は言いたかったのに言えない、みたいなところを察知しておいて、あとで電話でお聞きすることもあります。ご本人が話したいこととお子さんが聞きたいことの間に差があることもあって、そこが難しいなと感じることもあります。そこは常にその場その場での試行錯誤です。

自分史を持っている男女

最後に

-親の人生を記録に残すことの価値、「親の雑誌」を作ることの価値

私もそうなのですが、親の人生って思ってるよりも実際は知らないですよね。自分が生まれたあとからしか知らないから、その前の部分を知るのは興味深いし、意味があると思っています。親の自分史制作は、自分の親のもやりたいなと思います。「こういう仕事をしてるんだ」って自分の親に話すときも「すごく価値があるよね」って言ってくれるし、その流れで自分の過去も話してくれたりとかするので。親も恥ずかしい気持ちもあるけど、残しておきたいとか話しておきたいっていうことがやっぱりあるんでしょうね。

-今後の目標

傾聴のスキルをもっと上げたいですね。お話を聞くときの「いいトスを上げる」っていうことを、もうちょっと練習したい。いいトスにつられて自分で考えていただいて、それをバシーっと打っていただいたときに、ご自身で「ああ、私ってこうだったんだ」とか「こういう人生だったんだ。私っていいじゃん」って気づかれると、すごくうれしいです。何回かうまくいった場面があって、そのときにほんとに「ああ、よかった」ってすごく思うんですよ。親御さんの心の中にあるものを引き出せたと思って。それは、いい言葉が欲しいから聞くということではなくて、自分で気づいていただいてっていう。その気づきが起こるようないいトスを上げたい。そのスキルをどうにか身につけたいですね。

-親御様、申込者様へのメッセージ

自分を振り返る時間を取るって、必要なことだと思うんです。そしてこれは、今の時代、意識しないとできないことだとも思います。なおかつ、自分の考えを自分でまとめるのは難しいですが、誰かに話すことでできることがある。それがすごく、これからの生活に必要なことだと思います。それは年齢にかかわらず、いろんな人にとってそう。ぜひ利用してください、私たちを。

つい最近のお仕事でも、お客様が「自分一人で自分史を作ってみようと思って、マイクを買ってしゃべってみたけど全然うまくいかなかった。あなたたちが聞いてくれたからしゃべれたのよ」って言ってくださったんです。そういうときは「やった!」って思いましたね。

親の雑誌スタッフ 竹山真奈美

自分史を持っている女性

投稿日:2019年04月05日