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THE 畑良道

令和4年7月発行 / 三重県・昭和28年生まれ

畑良道の“幸せ”に迫る

 難しいですね。なんだろうかと考えると、やはり「健康」なんだと思います。去年、肺がんで2週間入院したんです。肺だったので息をするだけで苦しくて、世の中で一番大事なのは健康だと痛切に感じました。食べ物が食べられて、夜ぐっすり眠れて、お通じもちゃんとあって、それが幸せなんだ、と。ほかにも幸せはありますが、入院していたときのことを思うと、五体満足に健康で生きていけるのが幸せなんだと思います。病気にならないと感じられないものの中に幸せがあるんですね。なんといっても健康が一番。昔から言われていることが一番正しいんです。

 若いころは、いろんなものが欲しかったんですよ。家をもう一軒建てたいとか、車が欲しいとか、土地が欲しい、とかね。今、自分の欲しいものをすべて手に入れたとは言いませんが、ある程度手に入れてきたので、それ以上を望んでも仕方ないという気持ちです。キャンピングカーを買って日本一周する夢もありますが、わざわざ買わなくてもレンタルできるので、その方がいいですよね。

 欲しいものを手に入れるより、体が動くことの方が大事です。動けなくなったら、散歩もできない、どこにも行けない、したいこともできなくなる。だから、健康であることが大事なんです。僕は、いい空気を吸いに散歩に行くんです。今なら青々として芝や、つくしや桜を見に行きます。海岸沿いに住んでいるので、潮風にあたりに行ったりもします。旅行は散歩の延長みたいなもので、何泊もする散歩に行くんですよ。

生きること、死ぬこと

 去年、手術で全身麻酔をしたことで、死とはこういうことだと考えるようになりました。その間、夢も見ないし、意識もなく、目覚めたとき「もう5時間経ったの?」と思ったんです。何も感じず、意識もなく、死んでいく。みんな生まれた瞬間に死が待っていて、与えられた命の長さは決まっているんですよ。限られた時間のなかで、死を怖がっても仕方のないこと。そして、命はいただいたものだから、お返ししないといけないんです。

 ただし、一旦命をもらったからには、自分の人生ですから、楽しみながら、面白おかしく生きて、働いて、それで給料をもらえたら、最高です。道は2つ、右か左、楽しいか楽しくないか、それだったら楽しい方に行くでしょう? では、どうしたら楽しいのか。それは、自分で考えて、自分で選択して、やったら、楽しいんです。人に言われて何かを達成しても、楽しくないんですよ。だから、大事なのは、自分で考えることなんです。

 終活とか世間では言われていますよね。天国で後悔できるんなら終活をしたいですが、死んだら意識も何にもなくなるんで、どうしようもないです。だから、生きている人が、決めたらいいんですよ。僕が死んだら生命保険がもらえるので、それで葬式には足りると思うんです。お墓は建てないで、海に散骨してほしい。お世話になった伊勢湾に撒いてほしいですね。ただ、それは僕が言うてるだけです。実際にそうならなくても、思っていればいいんです。

 家族が楽しい人生を送ることを祈っています。何よりも健康が大事だから、それに気をつけて、子どもたちには俺より長生きしてもらいたいと思っています。

Family’s Photo

ご家族メッセージ

いつもぶっきらぼうであまり普段自分のことを口に出さないお父さんの半生をよく知ることができました。今度は直接お父さんの口からも聞きたいです。家族5人で一緒にどこかに行ったり過ごしたりしたいですね。僕もマリンスポーツが大好きです。 by 加寿也

分かっとると思うけどお父さん大好き。

たまにはお父さんから電話してきてな。 by 亜紀子

待っててね。孫。 by 沙也加

追伸: 世界一周旅行の出発は、2025年の予定です。

加寿也・亜紀子・沙也加より

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