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川場シズエさんの自分史のトップ写真

若いころから苦労、苦労やったけど、苦労してきたから今があると思っとるよ。

平成27年12月発行

川場シズエ

岡山県・昭和3年生まれ

人物紹介

川場シズエさんの自分史の表紙写真

早くにご主人を亡くし、「解体屋」で働きながら 3 人の子どもを懸命に育ててきた。 今は子ども、孫、ひ孫に囲まれながら、幸せに暮らすシズエさん。

自分史インタビュー記事より

川場シズエさんの自分史本文イメージ

主人のこと

 昭和 20 年、岡山県吉井町石村へ嫁に来てな。お百姓をしとった。いろんな野菜を作ってね。子どもが3人できたん。主人はいろんな仕事に手をつけよってね。私は豆腐の豆引きもしたね。まあ、分限者にはなれんかったけどね。あとは、ひよこを飼って卵を産ませていくつもりやったんやけど、ひよこは卵から育てないかんでしょ。時間がかかるやろ。だから、それもやめてね。縄網って、稲を刈ってそれを縄にするのは少しだけ儲かったんですよ。主人は姑さんが好きやったからね。甘えん坊やったね。主人は優しい人やったなあ。叩いたり、怒ったりはせんかったね。貧乏生活をして苦労しましたわね。

 主人が 35 才で亡くなってしまって。主人は、胃潰瘍やってね。2、3カ月入院したんよ。当時は病院もそんな綺麗じゃないやろ。胃洗浄とかしてな。それで、輸血をしないといかんくてね、それが500円やったから実家の山を売ったんよ。姑さんと私と子どもで暮らしてたんやけど姑さんが厳しい人で苦労をしたん。主人は体の弱い人やったけんね。主人が亡くなったあとも1人でお百姓をしてね。牛を飼って畑を耕して。優しい牛やった。疲れた時は日陰で牛にもたれて休むんや。2年くらいお百姓を続けて、昭和 35 年に街の方へ出たん よ。姉に仕事を紹介してもらってね。それが解体屋の仕事やったんや。

解体屋での仕事

解体屋では、車の部品のいいとこを取って売るんですよ。休みがなかったね。ずっと会社に泊まって待機してないといけない。大変やったけど 10 年勤 めましたよ。子どもを一生懸命育てないといけないと思ってましたからね。子どもはみんな夜間の鳥城高校へ行きました。3人とも自分で学費を稼いでね。夜間高校やから4年かけて卒業しました。褒めてあげる人なんていないでしょ。だから私が「立派なもんだ」ってねえ。本当に立派なもんですよ。それで次の会社は藤田って解体屋に行って。給料は少し上がってね。前と同じ解体屋やったんやけどね。私は、女やったけどつなぎを着てね、頑張りましたよ。車の下にも潜ってね。5年くらい勤めたんよ。オイルショックのせいで潰れてもうてね。それで、藤田の親戚の会社へ勤めたんですよ。

 先輩に「ポスト持ってきて」って言われたってなんのこと分からんくてね。専門的な部品の名前とかなんて分からんでしょ。覚えるのに難行しましたわ。「ホーンをくれ」って言われたんやけど何のことか分からんくてね。ホーンって車のクラクションのことやったんですよ。先輩に聞いても「仕事は見て盗むもんや」って言われるもんやから、仕事しながらいろんなこと覚えていったんです。本当になんでもやりましたよ。土方もやったね。ガソリンスタンドの穴を掘る会社でね。あとは、壁の枠を外したらある穴をセメントで埋めるんですわ。道具なんてなくてゴム手袋をしてそれでセメントを塗ってね。手が荒れてしまってほんまにえれえ目にあいましたわ。それが、1年くらいでしたね。

子供、孫、ひ孫

 この家を買ったんは 25 年前。子ども は3人とも優しい子やったね。長男は血圧が高くて 49才のときに死んでしまった。ボーナスをもらってご飯を食べに行って、寝て朝起きたもう亡くなってたんやな。長女は、もともと脳の血管が弱くて太くする手術もしてたんや。それはうまくいったんやけどなあ。バレーボールを小学校で教えよったんですけど、入院してる時に亡くなってしまったんよ。

孫が剣道を習っててね。よく送り迎えをしましたよ。子どものために一生懸命だったんですよ。よく働きました。子育てを頑張ってね。本当にそのおかげで今は孫がよくしてくれて。昔いろいろしてあげたんを覚えていてくれるんですね。

今はね、孫もひ孫も沢山おってね。若いころから苦労、苦労やったけど、苦労してきたから今があると思っとるよ。たけちゃんは本当にいろんな表情してね。癒されるね。

 

取材担当のコメント

 子育てのこと、お仕事のことなどシズエさんの今までの「生き方」がたっぷり詰まった雑誌が出来上がったのではないかと思います。いつも温かく、力強くお話しされる姿やお 話しの内容の奥深さに惹きつけられていきました。

ご本人の感想(お手紙から)

宝物にします。デイサービスのみんなに見せてと言われる。今度見てもらおうと思う。正月、帰省した孫夫婦にも見てもらって喜んでもらった。家族みんな喜んでます。

ご家族の感想(お手紙から)

よく話をするばあちゃんですが、改めて文字で「川場シズエ」を知ることができました。本人、家族とも一生の宝物になりました。ありがとうございました。/孫より

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