俳句は難しい
富士市民文芸賞をもらったのは父が亡くなったときに詠んだ句です。父が亡くなった知らせを受けて、静岡から大阪に向かう車中で詠みました。車から野火が見えたんですよ。土手を焼いているんですが、車窓に映っている自分の顔が父によく似ていて、父の顔と重なって見えたんです。句は、骨になって、こんなに軽くなってしまったということ、目を閉じると、瞼の裏に父との思い出が浮かんでくる、ということを詠みました。
俳句は難しいです。俳句を始めたのは大学時代で、それから長い年月やっていますけれどもこれでいいと思ったことはありません。
句集のタイトルは、暁蝉と書いて、『あけぜみ』と読みます。私が作った言葉です。夕蝉というのはあるんですけれどね。蝉というのは明け方にも鳴くでしょう。蝉が夏の夜明けとともに土から出てきて、木に登って鳴く、それをイメージして付けました。私の先生の俳句に暁の蝉を詠んでいる句があるんです。『暁に逝く唖蝉は一言鳴いたか』という句です。先生の後を継いで俳句を続ける、そういう気持ちをこの句集のタイトルに込めました。こういう自分の思いを句集に込めて、それを引き継ごうと思ったわけです。その句の『一言』というのが堪えました。俳句を作るときは作者が言うべきことを言わなければならないと思いました。
俳句は作ろうと思って作るわけではないんです。いつも俳句の種になるものを感じたときには、忘れないように書きつけておきます。その種を俳句を作るときに、使うんです。俳句に入れるのは景色ばかりでは面白くありません。景色の中で自分というものをどう詠み込むかということなんです。そういうことをやってきて、富士市から賞をいただきました。教育・文化・スポーツ奨励賞というものです。今までやってきたことが認められたと思いました。
コメント欄
金子徹様
THE金子徹 を拝読しました。プロフィールなどは、折々に、読ませていただいておりましたが、
今も、子供の時のように、「叔父ちゃ〜ん!」とお呼びできること、嬉しく思います。
叔父ちゃんの「幸せ」。聞かせていただきたいと、以前から思っておりました。
「自分がこうしたいなってことをできるのが幸せなんじゃないか」
自分がしたいことを一所懸命に!
新鮮な気持ちです。ありがとうございます。 神奈川 山田美紀子
山田美紀子様、コメントありがとうございます。
「自分がしたいことを一所懸命に!」、金子様のこれまでの生き方を凝縮したような
お言葉ですよね。
コメントを書く