父の人格形成の過程を知ることができました。
(写真:申込者及川厚博様とお父様の「親の雑誌」)
お申込者であるお子様(及川厚博 様)にお話を伺いました。
【及川厚博 様プロフィール】
1989年北海道生まれ。2011年アプリ開発の会社を起業。別事業に集中するため、2015年に同事業を事業譲渡。その際、譲渡先の探し方がアナログだったため、事業譲渡に苦労した。また、自身が事業承継問題の当事者でもあるため、中小ベンチャーのM&Aに興味を持つ。これらの課題をテクノロジーの力で解決したいという思い、株式会社M&Aクラウドを設立。
―「親の雑誌」を制作したきっかけを教えてください
Facebookで「『親の雑誌』を作った」という投稿を2回くらい目にしました。その投稿が印象に残っていて、父の還暦祝いに作ろうと思いました。『親の雑誌』をいいなと思った理由は2つあります。1つ目は事業承継です。私には2人弟がいて、昨年、父が経営している会社に就職しました。弟たちが事業承継するときに、父の思いを形に残しておくことが大事だと思ったんです。2つ目は私は歴史が好きなんですね。人の生きた証しを残したいという思いがあります。私の価値観としてそれがあるので、父の歴史を形に残すのに『親の雑誌』はちょうどいいなと思いました。
今回は父の還暦祝いで作成したので、私1人からではなく、兄弟3人から父へのプレゼントにしたかったんです。だから、雑誌作成の過程だけではなくて、料金の一部を弟にも負担してもらいました。1人で払うには『親の雑誌』は安くはない金額ですが、兄弟で分割すると負担は減るので、制作へのハードルも下がると感じました。
―「親の雑誌」を作りたいと伝えたとき、親御様はどんな反応をされましたか?
確か父にLINEでお願いしました。『親の雑誌』のウェブサイトのURLも一緒に送ったら、「よくわからないけど、いいよ」と言ってくれました。父は経営者なので、さまざまな媒体に出ています。会社がある北海道ではテレビCMに自分の顔を出すくらいなので、インタビューを受けることにも抵抗はなかったと思います。
―事前準備(プロフィール、年表の作成、掲載写真の準備)はスムーズに進みましたか?
事前準備は大変でした。私は自分の結婚式でもそうでしたが、準備が苦手です(笑)。なので、仕事だと思って割り切ってやりました。仕事だと思うと動けるんですよ。 母と弟2人に仕事を振り分け、私はプロジェクトマネージャーとして業務を動かすようにしました。年表は母に会って一緒に作成し、それを母から父に確認してもらい、修正するという手順です。プロフィールも母と私で作りましたが、母の協力がないとプロフィールと年表の作成は厳しかったと思います。写真は母、弟2人、私の4人で実家に集まって選びました。表紙に掲載した写真は北海道の実家に私が帰ったときに撮影しました(今回は都内でインタビューをおこなったため、表紙用のお写真は北海道のご実家の前でお申込者様に撮影していただきました)。
その他に、費用の振り込み、取材日の調整、取材場所の調整(今回は及川様に予約していただいた都内の会議室でインタビューを実施しました)などもありました。原稿確認は、家族以外に見せても気にならない内容かを検討した後に、父に確認するという流れで行いました。家族全員、大変だったと思います。
―制作中、ご家族とのコミュニケーションの量は増えましたか?
増えました。ただ、もともと家族仲がよくて、年に1~2回は集まります。だから、制作中のやりとりは増えましたが、「親の雑誌」を作ったからコミュニケーションが増えたということではないですね。
―「親の雑誌」が完成したときの親御様はどのようなご様子でしたか?
今年の元日に家族で「開封の儀」をしました。残念ながら私は第二子が誕生した直後で、実家には行けなかったのでオンラインでの参加でしたが、実家に家族みんなが集まっていました。もりあがっていましたね。父も楽しそうに読んでいて、よくできていると言っていました。
―「親の雑誌」が完成して、親御様に対して気持ちの変化はありましたか?
父への感謝の気持ちが増しました。それに、私も波のある人生ですが、父も波のある人生だと知れたので自己肯定感があがりました(笑)。 父は家庭では巨人の星の「星一徹」みたいな感じなんですよ。私はインタビューに同席したんですが、横で話を聞いていてどうしてそうなったのか理解できました。父の両親のことや、今までどういう人生を歩んできたのかを聞くことで、父の人格形成の過程を知ることができました。そういった生き方をしてきた父が私に接してきたのであれば、私はこんな性格になるよな、と腑に落ちました。父の人生の道のりを知ることで自分自身の人格形成に納得感も生まれ、自分への理解度があがりました。
事前準備で作成した年表もよかったと思っています。私が作成した年表には父の年齢も記載していました。『親の雑誌』ではフォーマットに年齢を記載できなかったので、完成した雑誌には載っていないのですが、年齢も掲載できるといいと思いました。というのも、年表を見て「今の自分の年齢で父は転職したんだ」とか、「40歳のときに起業したんだ、すごいな」などと自分の生きた時間と重ね合わせて、父の時間を見ることができるからです。また、これは想像ですが、弟である次男は今32歳、三男は27歳なんですね。父の『親の雑誌』を見て、父の破天荒な軌跡をたどると、安心することもあるのではないかと思います。
※年表への年齢掲載についてご希望の場合は申込時にご相談ください。
―「親の雑誌」をつくってみて、どのような方がこのサービスを利用するのがよいと感じられましたか?
親御さんが会社を経営していて、事業承継を考えている人や、自己分析、自己理解を高めたい人にお薦めですね。私は、弟が父の経営する会社に入社したタイミングでもあったので、事業承継という観点でも得るものがありました。 父への理解も深まるので、親御さんのことを知りたい人にもいいサービスだと思います。自分の性格には父の経験してきたことが間接的に影響しているんだとか、父は〇歳のときにこんなことをしていたんだと知れたのは自分自身にとってもよい体験でした。 準備に時間もかかりますし、家族に相談することも複数あり、正直大変ではありましたが、それを上回る満足を得られると思います。
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