親の雑誌ブログ

自分史(親の雑誌)取材担当者のご紹介

お話を聞くことで、エネルギーを引き出す仕事だなと思ったんです。

自分史作成サービス「親の雑誌」では、2015年5月のサービス開始以来600人を超える親御様の人生を雑誌という形にまとめてきました。今回は、取材や原稿作成を担う取材担当者「色川美千代」をご紹介させていただきます。

『台東区浅草で生まれ、学生時代には演劇部に所属。
様々な仕事を経験したのち、フリーランスのキャリアカウンセラーとなる。
傾聴を学ぶため、たまたま見つけたこころみの研修に参加することに。
自分史の取材では、人生を聴くことの奥深さに大切さに気づかされた。
「私には欠かせない仕事」と力強く語る、彼女の想いに迫るー』

自分史取材の担当者

プロフィール・略歴

―出身
東京都台東区浅草生まれです。
小学校1年のときに千葉市に引っ越して、家を出るまでそこで暮らしていました。

―学生時代
高校時代に演劇部に入っていました。友達に演劇をしたい子がいたんです。
その高校の演劇部がほぼ廃部状態だったんですけど、その子に誘われて入りました。
その子を中心に立たせるために、いろんな交渉をしましたね。
大会に出たいから先生に交渉したり。裏方としては照明をメインでやっていました。
それが学生時代、一番密度が濃かったことです。

―今までの経歴
その後、短大に進み、卒業してからIT会社に入社したんです。
エンジニアではなくて、商業登記簿が紙からデータになる進行管理をずっとやっていました。
その後、教育人材業界に移り、学習塾や派遣などの人材紹介会社、社会人の研修会社などで働いてきました。
社会人の研修会社では、研修計画の策定、運営実施、フィードバックという、講師以外の一連の流れを担当していましたね。
学習塾にいたときに社会人の教育をやりたかったのでキャリアカウンセラーの資格を取っていたんです。
それで研修会社を辞めてから、フリーランスでキャリアカウンセリングをメインでやっていました。

こころみを知ったきっかけ、感じたこと

そのころに、たまたま「こころみ」のコミュニケーターの募集を見たんです。
そこに“傾聴のプロ”になれる、というようなことが書かれていて。
私はカウンセリングをやりながらも傾聴があまり得意ではなかったので、これはいい機会だと思って、傾聴を学ぼうと応募したのが動機ですね。
スキルアップのために傾聴を学びたいなと思ったんです。

―実際の研修を受けてみて
傾聴のロールプレイは難しいと思いました。
でも、いろんな方とやったり、人を見て学ぶことが大きかったです。
良い悪いではなく、タイプや状況によるものだと感じましたね。
研修を受けたことで、私にもできるかも…と感じました。
初めはよく分からなかったけど、とにかく一回やってから考えようという思いもあって、
自分史(親の雑誌)の取材に行かせていただくことにしました。

―自分史の取材で感じたこと
初めて行ったお客様が、すごく印象に残ってます。
ご病気で入院していて、もう危ないと言われていたらしいんですけど、取材の2週間前に生き返った方ですよ。
それでご自宅にも戻られて、取材もできることになりました。
取材中は、すごくお元気に話されていていました。
ご家族は最初ハラハラされていましたが、途中から安心して聞いてくれていました。
ほんとに2週間前に倒れたのかと思うくらいエネルギッシュでしたね。
そのあとしばらくして亡くなられたと聞きましたが、とても楽しかったんでしょうね。
お話を聞くことで、エネルギーを引き出す仕事だなと思ったんです。
自分が人の人生の最後に関われるんだと。
ご本人やご家族もすごく喜んでくれて、これはなんていい仕事だ。これからもやってみたいなとそのとき思いました。

特殊なケースかもしれないですけどね。自分が関わることで、どれだけ人に影響を与えるのか間近で見ることができて、人の話を心を傾けて聴く、この仕事ってすごいんだ、続けたいって感じました。

―キャリアカウンセラーの仕事には役に立っていますか?

とても役立っています。キャリアカウンセリングの仕事は初見の方が多いんです。
バックボーンは事前にデータとしてもらいますが、心理的なものは伺わないとその人が分からないんですよ。
自分史(親の雑誌)の取材も限られた時間の中でその人を知るということをやりますが、それができるようになってからは、カウンセラーにも活かせるようになりました。
この方は、何が欲しいのか、何が印象に残っているのかな、とか奥にあるものを重要視するようになりました。ね。
キャリアカウンセラーの仕事って、もう少し表面上の条件であったり、単純に自分がなりたいものにつなげられるような形で話をするんですが、ほんとにそれでいいのって聞くようになっちゃったりとか(笑)。
だいぶ深く聞けるようになりました。やり方は全然変わりました。
本心でやりたいことは何かを聞いて、そちらの方向に行けるようなお手伝いをということで。
突っ込み方か変わったので、痛いところをついてしまって、嫌われるようにもなって。
自分に向き合わせ過ぎるというか。
最近はバランスを取るようにもなりました。

―キャリアカウンセラーの経験が自分史(親の雑誌)の取材に生きてる面は?
ピンポイントでの質問するスキルは活きてるなと思います。
自分史(親の雑誌)の取材中に、話がうまく進まないときに、相手が不愉快にならないように、言いたいことを引き出せる、それは活かせるんじゃないかな。
両方やっていることの強みですかね。

自分史の取材風景自分史の紙面

自分史の取材で印象に残っていること、感じたこと

一番最初の方、ご病気で亡くなられた方が印象に残っています。
あとは、伊那の町議会議員さん。
ご自宅が山の上、雲より上に建っていて、お家から外を見せていただいたら、まず雲が目に入るという。
この方がどうしたら町が発展するかとか、どうしたらここに住んでる人たちのためになるのかとか、相手の目線に立って考えられてる方でした。
娘さんも、お父さんくらい人のことを考える人は他にいないって言ってましたね。
実際にお話を聞いて、人のことを考える、相手のために何かをするっていうのは、どういうことかをその方から学ばせていただきました。

その方が言っていたことで、また少し印象的なことがあったんですね。
災害支援で来て下さる方がいるじゃないですか。もし、自分のいる地域で災害が起きたときに、その人たちを入れるのは一番最後だっておっしゃったんです。
町の人たちの中には変わりたくない人もいる。
ボランティアで入ってくる方は、現状を変えるエネルギーがとてもすごい。
町民を不安にさせたくないので、入れなければ入れないほどいいっておっしゃったんですね。
それを聞いて、相手のことを思うってただ一面的なものじゃなくて
相手や周りにどれだけ影響を与えてしまうかを考えて、初めて思いやるってことになるんだなと思ったのが印象に残ってますね。

この仕事を通じて、誰とは言えないんですけど、本当にすべてが勉強になってるな、生きた民俗学だなって思ってるんです。
変な例えになってしまうんですが、素晴らしい本がしゃべってくれているイメージなんですね。
私は、それをまた文字にして、ただ本に戻しているというか、不思議な感じですね。

印象に残った人がもう一人いらして、病院で取材された方なんですよ。
本人も、ご家族も長くないって分かっている中ですごく前向きなんです。
悲観的なこと言わないので、心の健康と体の健康はどっちが大事ですかって聞いたんですね。
そしたら心って答えたんです。
体の健康は心の健康がなければ成り立たないと。
それを言える精神状態がすごいなって思いました。
尊敬しますよね。年齢でもなく、状況でもなく、その人がどう生きてきたなんだなって。

あとは、九州出張も楽しかったです。
私は関東を出たことがないから、あまり九州とかにも行ったことなかったんです。
南の地域性というか、その地方独特な暖かさを感じます。
同じ仕事をしていても、これだけ地域が異なると考え方も違うんだなって面白かったですね。
いろんなところに行かせてもらいましたけど、東京からも近い地域でも違うんだなって。

年代はあまり関係ないですね。
戦争の話によって少し変わってくる印象はありますけど、年齢よりその人自身だな、究極的にその人だと思いますね。
どんなに若くてもつらそうな方はつらそうですし、年齢が高くても、こんなに元気で意欲的なんだって。
心の健康度合い、体の健康度合いに年齢は関係ないんだなって気づけたことが(親の雑誌の取材をやっている中で)一番大きいかな。

―個人的に気を付けてることは?
訪問取材のときに同席者がいた場合、同席者の方も参加意識を持てるように気はつかいますね。どれだけ参加できるかで質がかわると思っていて。
同席者も同じような心理状態にならないと、親御さんが気を遣って言わないことがあったり
言い方を変えたりされているなって気づいたことがあって。
雑誌になったときに、その方の人生とズレるんじゃないかと思ってからは同席者の方に遠慮しないでいられるくらいの、温度感にもって行くよう気を付けています。
同席者にたくさん話してもらうというわけではなくて、その場に一緒にいられるような雰囲気にするよう心掛けていますかね。

最後に

―この仕事の面白さは?
自分の人生じゃないものを体験できること。追体験できるし、学びもいっぱいありますね。
普通の仕事をしてたら、人の人生なんてこんなにたくさん聞かないですし、聞いても表面的な理解で終わりますよね。
それが数時間の取材と、電話で何回かお話するわけですよね。
そうすると、その人の一部になる気がするんです。
それが一番の醍醐味かな。
私には欠かせない仕事だから続けていきたいし、辞めてしまったら私の人生も面白くないって思ってしまうかも。下手な勉強をするよりも勉強にもなるし人のためにもなる。
両立できる仕事なんてなかなかないかなって思います。
これからも続けていきたいですね。

―お客様への一言
これからの人生も楽しいと思ってもらえるようなお手伝いがしたいと思っています。
自分史を持っている取材担当者

投稿日:2019年01月10日