「実家のアルバム」をデータ化してみませんか
カテゴリー:ブログ
投稿日:2021年02月10日(最終更新:2021年04月09)
みなさんのご実家やご自宅には、何冊の「アルバム」があるでしょうか。イラストやシールなどで飾られた「手作りアルバム」は、ご家族の大切な思い出のひとつです。一方で、そのアルバムの保管場所に頭を悩ませている方も多いのではないかと思います。何冊もアルバムがあったり、整理されていない紙の写真がたくさんあったりする場合は、保管の場所が必要なことに加え、時の経過とともに写真の色や紙の状態が悪くなってしまうことも悩みの種です。だからといって、そのアルバムや写真を捨てる決断をすることは難しいものです。
そこで、今回はアルバムをデータ化する方法として、「写真をデータ化するスマートフォンアプリの使い方」についてお伝えします。文章の後半では、スマートフォンアプリ以外を利用した写真をデータ化する方法についてもご紹介したいと思います。外出が難しいこの時期、ご家族でアルバムや写真を眺め、整理することで「過去に旅行」してみるのはいかがですか?
紙の写真をデータ化するスマートフォンアプリ
「フォトスキャン by Google フォト」
スマートフォン(以下、スマホ)のカメラ機能を利用して、紙の写真や書類をスキャンしてデータ化するアプリは「スキャンアプリ」と呼ばれています。スマホでのスキャンならば、アルバムから写真をはがしたり取り出したりしなくてもデータ化することが可能です。App StoreやGoogle Playストアで「スキャンアプリ」と検索すると、数多くのアプリが表示されますが、今回は、その中でも操作方法が簡単でわかりやすく、無料で使える「フォトスキャン by Google フォト」を紹介します。
以下のウェブサイトからダウンロードできます(無料です)
Androidをお使いの方はこちらから▼
フォトスキャン by Google フォト(Google Play)
iPhoneをお使いの方はこちらから▼
フォトスキャン by Google フォト(App Store)
特徴
このアプリの特徴は、「簡単な手順で画像をスキャン」「光の反射を自動除去」「写真の傾きを修正」「写真の端を検出して自動的にトリミング」できることなどが挙げられます。
特に注目したいのが、「光の反射を自動除去」です。紙の写真をスマホでスキャンするとき、部屋の電気や太陽の光が反射してしまうことが多いのですが、このアプリはその反射を自動で消してくれます。
「写真の傾きを修正」というのは、紙の写真を少し斜め方向からスキャンしても、アプリがまっすぐに修正してくれる機能です。例えば、壁にかけられた写真をスキャンしたとき、傾きを修正してくれます。「写真の端を検出して自動的にトリミング」というのは、紙の写真の下に机やノートなどが写っていても、アプリが写真の角を検知して、写真のサイズで保存してくれる機能です。
スキャンした画像はスマホの「写真」「フォト」フォルダに保存されます。別途「Googleフォトアプリ」を入れればクラウドサーバーに保存することもできます。クラウドサーバーを利用すれば、スマホの容量を気にせず、また家族間で写真の共有もしやすくなります。
アプリの使い方
アプリのダウンロードが完了したら、起動します。最初にアプリからスマホの機能へのアクセス権限許可を確認されるので、内容を確認して許可します。スマホの機種によって違いはあると思いますが、以下のような内容です。
「写真撮影とビデオ録画をフォトスキャンに許可しますか?」→許可
「…ファイルへのアクセスをフォトスキャンに許可しますか?」→許可
許可ができたら、すぐに使えます。使い方は、スマホで写真を撮影するときと、ほとんど同じです。スキャン用の画面が表示されるので、紙の写真を撮影します。最初に使うときは画面に説明文が出るので、それに従えば簡単にスキャンできます。以下のような手順です。
※以下画像の黄色で描かれた線や枠などは説明のために付け加えました。
1、紙の写真を画面内に収め、撮影ボタンを押します。
以下画像のAのボタン:スキャンした画像のプレビュー
以下画像のBのボタン:撮影ボタン
以下画像のCのボタン:光の反射の除去機能ON/OFF(初期設定はON)
以下画像のDのボタン:フラッシュON/OFF(初期設定はON)
2、四隅に白い丸、真ん中に白い線の丸とその下に白い三角印が表示されます。
※四隅の白い丸をぐるっと一周するようにカメラを動かしていきます。
3、白い三角印の方向(右下)にスマホを動かし、白い丸と白い線の丸を合わせます。角が合うと、青い線で円を描き始めます。
4、「カシャ」と音がするので、次の白丸へ移動します(今回は上→左→下の順番)。
5、四隅全て撮影し、緑丸のチェックマークが表示されたら、スキャン完了です。
スキャンのコツはスマホを傾けないことです。傾けすぎると、アプリが文字と振動で教えてくれます。
スキャンデータを比較
スキャンした画像を見てみましょう。撮影ボタンの横にある丸「スキャンした画像のプレビュー(手順画像1のB)」をタップすると、スキャンした画像を見ることができます。以下の画像のような、紙の写真のサイズでトリミングされた画像が表示されたでしょうか。今回、比較のために2枚の画像を並べました。左が元データ(※)、右がスマホアプリでスキャンしたものです。
※今回は、データ画像をプリントアウトし、プリントアウトした紙の写真をアプリでスキャンしました。
色の明暗や色味の違い、拡大して見ると画質が荒い部分もありますが、スマホサイズで確認するならば「良い」と感じると思います。写真の明るさは、撮影後にスマホの写真フォルダやフォトフォルダ内で調整することができます。色味は、撮影時の部屋の明るさや照明の色で変化するので、それらにも注意すると、より元データに近い画像がスキャンできると思います。
もし、スキャンしようと思った写真の角と、スキャンした画像の角がずれていると感じた場合は、角の位置を調整することもできます。調整したい写真を選択後、写真の下にある「角を調整」を選択し、角の位置を指で動かせば調整できます。
便利機能「光の反射自動除去」
ここで注目してほしいのが、スキャン時に写ってしまった光の反射が消えていることです。上記の手順1~3で反射している光がありますが、スキャン後の写真にはありません。紙の写真は光沢のある紙を使用することが多いので反射しやすいのですが、このアプリには「光の反射を自動除去」する機能があることで、反射を心配する必要がなくなります。
もし、反射の心配がまったくないときは、「光の反射の除去機能ON/OFFボタン(手順画像1のC)」をOFFにすることもできます。その場合は同時に「フラッシュON/OFFボタン(手順画像1のD)」もOFFにした方が反射しにくくなります。光の反射除去機能をOFFにすると、スキャン手順は1だけで終了します。
紙の写真をデータ化する主な方法は3つ
スキャンアプリ以外のデータ化の方法もご紹介
「もっと高画質で紙の写真を保存したい」「シールやイラストなどで飾られた部分も含めてページごとにアルバムを保存したい」というときのために、他のデータ化の方法や、他のスマホアプリもご紹介します。
紙の写真のデータ化には以下の手段が一般的です。
1、スマホのスキャンアプリでデータ化
2、家庭用プリンター(スキャナー機能付き)でデータ化
3、写真屋さんでデータ化
この3つを、かかる時間、金額、スキャンの精度で表にしました(機種などにより異なります)
※コピー・スキャナー付き家庭用複合機プリンター
アプリ、スキャナー、写真屋さん、それぞれの違いを見ていきましょう。
1、スキャンアプリ
先ほど紹介した「フォトスキャン by Google フォト」とそれ以外のスキャンアプリを紹介します。以下の表は、App Storeにあるスキャンアプリの中で、無料で利用でき、評価点とダウンロード数の上位5つです。
※App Store 1月末現在
どのアプリも高評価で多くの人に使用されているので、どれを選べばいいのか悩みますね。今回はスキャンとスキャン後の操作が手軽で、写真保存に便利な反射除去機能がある「フォトスキャン by Google フォト」を紹介しました。一方で、イラストや文字入りの手作りアルバムをデータ化したいときなどは、ぜひ他のスキャンアプリも試してみてください。文字のスキャンが得意なアプリは、文字の画像を文字情報として読み取り、文字データを抽出することもできます。ご自身の使いやすいアプリを選んでくださいね。
2、家庭用スキャナー
ご家庭にあるプリンターの多くはスキャナー機能がついています。A4サイズまでスキャンできるものが多く、機種によりますがスマホアプリより画質が向上します。
例えば、上記画像のように、複数枚の写真を一度にスキャンして保存しても問題ない場合や、手作りアルバムをページ単位で保存するときなどは、家庭用スキャナーでのデータ化を検討してみるのもよいでしょう。写真やアルバムのサイズが大きいときは、お金はかかりますが、コンビニのコピー機を使ってスキャンすることも可能です。しかし、写真を1枚ずつ保存したいときは、スキャンした画像を1枚の画像に切り分ける手間がかかってしまう難点があります。
ご自宅で、写真を1枚ずつ短時間で保存したいというときは、スキャンに特化した以下の画像のような家庭用スキャナーを購入する、という方法もあります。
このスキャナーは、上部に写真を置き、下部に移動するときに1枚ずつスキャンしていきます。機種によりますが、1枚約1秒でスキャンし、一度に数十枚セットできます。マイナス面は、スキャナーの購入費用が必要なこと(画像のものは購入時約4万円でした)、また、少し古い写真などは破れてしまう可能性があることです。安価ではありませんが、ハガキもスキャンできるので年賀状の整理にも一役買うスキャナーです。
3、写真屋さんでデータ化
カメラのキタムラや、大手家電量販店のビックカメラ・ヨドバシカメラなどで、紙の写真のデータ化や、フィルムをデータ化してくれるサービスなどがあります(店舗によりサービスは異なりますので、ご利用の際は必ずご確認ください)。
良い点はもちろん画質がいいこと、そして手間がかからないことです。スキャンを始めると感じると思いますが、意外と時間がかかります。大切な写真をデータ化したいというときには、「1枚○円」とお金がかかりますが、プロにお任せすることを考えてみるのも良いのかもしれませんね。
『親の雑誌』では、最近オンラインでの取材が多くなったこともあってか、お写真をデータで送っていただくことが増えました。『親の雑誌』を制作された方から「雑誌の制作で写真の整理ができた」というお声をいただくこともあります。家族で写真を見ながら、スキャンをし、データ化していけば、写真整理と思い出話を一緒にすることができるかもしれません。ぜひ好みの方法を見つけて、アルバムの写真をデータ化してみてはいかがでしょうか。