人生100年時代、自分史も2号、3号があるのがいい
カテゴリー:ブログ
投稿日:2019年02月21日(最終更新:2021年04月09)
自分史作成サービス「親の雑誌」では、「子が親に贈る自分史」として親御さんの自分史作成をお子さんやご家族と一緒にお手伝いしています。自分史というと、これまでは人生の締めくくりに作るもの、というイメージを抱く方がほとんどだと思います。私も以前はそうでした。しかし最近、この考えを改めて「自分史は何回も作る価値がある」と思うようになりました。今回はそんなお話しです。
人生100年時代、還暦・古希・喜寿を迎えた先の生き方は?
昨日このようなニュースを見ました。
”65歳以上”でも「働きたい!」 シニア世代向けの採用説明会(関西テレビ 2019年2月18日)
人材派遣大手のパソナグループが、企業を定年退職しても働きたい「シニア世代」を採用しようと大阪で開催した説明会に、およそ100人が参加したとのこと。ニュースでは「国の高齢社会白書によると、労働力人口に占める65歳以上の割合は、2017年の時点で12.2%と年々上昇している一方、企業のほとんどで定年退職後の再雇用は、65歳までとなっています。このため、パソナグループは65歳以上の働きたい人を採用し、自治体での地方創生やこれまでのキャリアを生かした仕事が出来る新たな制度を作り、希望者の募集を始めました。」と報じています。
パソナでは、65歳以上の人80人を2019年4月1日付でグループ会社の契約社員として採用することを発表しており、今回の説明会もこれに向けた動きです。
パソナ、65歳以上雇用へ 来春から80人を契約社員に(朝日新聞 2019年1月23日)
日本が超高齢化社会に向かう中、生活のために長く働きたいと考えるシニア世代が増えているのだろうと想像しますが、一方で説明会に参加した人たちのコメントを見ると「新しいことにチャレンジしたい」「やってみたいことがたくさんある」といった前向きな気持ちでセカンドキャリアに取り組む人も多いことが分かります。
自分史作成で感じる古希・喜寿世代のエネルギー
自分史作りのお手伝いをしていてもこれは感じることです。今のシニア世代は、仕事や子育てという人生の大きな責任を果たしたあともエネルギッシュで前向きな方が多いという印象を持っています。
自分史作りでは、生まれてから今日までの人生を時間を追って振り返りながらお話をお聞きします。その中で、仕事や子育てに忙しくされていた日々についてはみなさんたくさんのことを話されます。苦労や悩みを抱え、時に運命に翻弄されながらも、ご自身の人生をしっかりと歩んでこられたお話は、すべてのエピソードに重みがあり聞いている私たちもたくさんのことを学ばせていいただいています。
人生を振り返るお話が終盤に差し掛かった頃合いで、「趣味」や「今やっていること」、「これからやってみたいこと」についてもお聞きします。すると、ほとんどの方がぐっと生き生きとした表情になり、これまた多くのことをお話しくださるのです。インタビューの締めくくりとして質問したつもりがここからさらにお話が盛り上がることもしばしばで、親御さん世代の好奇心や行動力、視野の広さ、社会の役に立とうという気持ちに頭が下がります。元気に長生きする秘訣は前向きに毎日を楽しむことなのだと取材の度に実感しています。
自分史作成サービス「親の雑誌」 表紙「創刊号」に込めた思い
このように、取材ではたくさんの貴重なお話をお聞きして、これを原稿化して自分史として「親の雑誌」を作ります。その過程では、文字数の都合で掲載を見送らざるをえないエピソードも出てくる場合があります。
また、最近では自分史を作る時点で「今なお現役で活躍中」という親御さんも増えています。定年退職したあとに別の会社で働く方、社会人向け大学院で学ぶ方、子育て支援の事業を始めた方、仕事仲間と起業した方、趣味を極めて個展やコンサートを開く方、外国語を学んで世界各地を旅する方、本格的に農業を始めた方、子ども世帯のサポートとして孫育てに取り組む方と、みなさん本当に多種多様な今を生きておられます。私はこれをセカンドライフなどと呼ぶのは失礼に感じていて、「今もこれからも、その人の人生は明るく続いているのだ」と思うのです。
自分史作成サービス「親の雑誌」は、退職や還暦・古希・喜寿・米寿といった人生の節目でお作りいただくことも多いのですが、親御さんのお話を聞いていて「この先の人生の物語もお聞きしたい」と常々感じています。自分史も1度作って終わりではなく、還暦や古希のタイミングで作った方は喜寿や米寿で作るとか、「仕事編」を作ったら次は「子育て編」「趣味編」「社会活動編」「仕事編パート2」があってもいい。最近は、そんな思いを強くしているのです。
また、冒頭でご紹介したようなセカンドキャリアに就くタイミングでも自分史を作ることはとても意味があると考えています。というのも、自分史を作るというのはここまでの自分の人生を振り返ることであり、仕事や人生の価値観を棚卸しすることでもあるからです。就職活動や入社後の研修では、自分の能力やキャリアの棚卸しをする機会がありますが、人生を重ねると意外とそういう場面はありません。自分史を作るというのは、「自分が持っている財産を棚卸しして、自分の価値を再確認する」という意味もあるのではないでしょうか。
自分史作成サービス「親の雑誌」の表紙には、「創刊号」という文字が入っています。これは、雑誌の雰囲気を出したいという意図のほかに、「2号、3号も作っていただきたい」という願いもこもっています。
まとめ
自分史作成サービス「親の雑誌」は、インタビューと写真で作る自分史です。創刊号はもちろん、2号、3号も親御さんのお話をお聞きして記事を作っていきます。まさに「雑誌」のように、2号目以降は特集テーマを決めての作成も面白いかもしれません。「親の雑誌」では、親御さんご本人やご家族のご要望もお聞きして最適なプランをご案内しております。ぜひお気軽にご相談ください。
親の雑誌編集長 井戸洋希