日置正見の“幸せ”に迫る
子どもたちも良いし、嫁さんも良いし、僕は幸せですね。肺がんで健康の問題があるので、これだけが良うなってほしいです。そのほかはなんにもないです。自由自在に夫婦2人で生活しております。食べ物の苦労もなく、過度な幸せではないですけど、毎日幸せです。
幸せになるためには、家にこもっているより、どこかに出かけて行って、人と会って、話すことですね。それはいいことですよ。昔はよう外に出ました。毎朝喫茶店に行って、コーヒーを飲んでいる知らない人と、いろいろなことを話し、いろいろなことを聞いて知る。遊歩道に出ると他人にも「こんにちは」と言います。知らない人でも会話が大事。僕はそれを心がけています。『旅は道連れ、世は情け、袖振り合うも多生の縁』って言うでしょう。
みんなへの感謝
みんなに世話になっているので、「ありがとうな」と思っています。それはつねづね、言葉に出すこともあれば、心の中で感謝することもあります。
今は、こうして欲しいという望みはありません。息子は、病気のことお金のこと全部やってくれました。大感謝です。世界中探してもこんな息子はいない。娘はそばに住んでいましてね。毎朝、家に来てくれるから、助かっています。
家内には、言葉には出せないけど感謝しています。家内は薬も帳簿付けでも、なんでもすぐにやってくれるんです。食べるものも朝昼晩作って、気を遣ってくれます。料理が上手なんですよ。息子は「お母さんの一番の料理はカレーライス」だと言っていました。雑煮も出汁を2日前から作っています。僕は好き嫌いが多くて、今でもトマトやキュウリが好きではないけど、「これ、食べないとあかん」と言うんです。家内の得意な料理は、スパゲティやハンバーグですね。家内には「この料理はうまい」って言葉に出しては言いませんが、食事の面でも最高です。
悔いていること
『後悔は先に立たず』と言いますけど、そうですね、これは後悔とは言わないのですが、僧侶を継がなかったことを、親父に対して悪いなと思っています。小さい頃は、お寺だから、仏様の前に座って、手を合わせて、お経をあげていました。『門前の小僧習わぬ経を読む』と言うように、ある程度知っています。でも、中高校生のころから跡を継ぎたいという気持ちはなく、父もそうとは言いませんでした。僕は僕なりに頑固者だから、これと決めたら一直線で、船場に行きました。継がなかったことで、船場に行き、お母さんに会えて、健二や由香里に会えたんです。それは子どもたちに伝えておきたいですね。
人生の最初の頃は食べるものがなく、恵まれていない時代もありましたが、後半は恵まれていました。目的があったというわけではなく、その日、その場でやれることをして今日までやってきました。『人生楽ありゃ苦もあるさ』です。悔いは思いつきません。
メッセージ
惠子へ
「これからもよろしくお願いいたします」ですね。あれこれ言わないけど、感謝しています。とにかくお互いがんばって、よく食べて、健康にいてほしいです。
健二・由香里へ
子供と共にあなた達親も成長する姿を見る事が出来て、本当に幸せな毎日です。あなた達が生まれてから今日まで、数え切れない嬉しくて楽しい出来事がありました。直接言葉では伝えられないが、心から感謝しています。幸せです。こんな素晴らしい兄妹は他にいないと思います。あなた達二人は、人を惹きつける何かを持っていると感じます。お父さんも二人の言葉にパワーをもらう事が多いです。これから二人にどんな良き人生が待っているのかを想像するだけでワクワクします。人を助け、人に助けられながら、素晴らしい人生を送るよう祈ります。
博暁へ
なかなか頻繁に会う事は出来ないが、会えばいつもニコニコと場を和ませてくれる。感じがとても良くて、いつも素晴らしい人格だと感心している。愛唯からも「パパはいつも優しいよ。毎朝駅まで送ってくれるんだよ」と聞いています。由香里にとっても素晴らしい旦那さんで、とても安心しています。これからも娘をよろしくお願いします。そして、3人仲良く楽しい毎日を過ごしてください。
恵美子へ
健二と結婚してくれて本当にありがとう。初めて家に来られた時は、美人で脚が長くて、日置家には無い血だなあと喜びました。そして、和花を産んでくれて本当に本当にありがとう。上手に子育てをしているのを見て、とても感心しています。大阪の家に帰って来てくれた時には、必ず仏壇や神棚に挨拶してくれ、帰りがけにも同じく挨拶をしてくれる。感心していますし、感謝をしています。後の事はどうぞよろしく頼みます。健二について行けば間違い無いとは思いますが、彼は羽目を外す事もあるので、心の目を外したらお灸をたっぷりとね(笑)。
Special Messages
私の主人、正見さんへ
主人は好き嫌いが多くあり、キュウリ・トマト・メロン・スイカ・鶏肉が特に嫌いです。二人の孫もキュウリ・トマト・メロン・スイカが嫌いです。不思議だ。主人はヤンチャ坊主と言っても良いかも(笑)。人には親切で愛想が良く、果物屋時代には、良く兄ちゃん兄ちゃんとお客様や商店街の方々に親しまれ、お店は大変繁盛しました。その一方、お人好しなので、人助けのつもりで保証人になったりして、大変な事に巻き込まれた事もありました。果物屋時代は、毎朝7時には中央市場に仕入に行く働き者でした。が、その反面よく喫茶店で長い時間を潰したり、開店後のお店は私か主人の妹に任せて、自分は近所の人とボートレースやゴルフに行ったりで、たくさんお金を使ってました。順調だった果物屋は、商店街の入口に大きなスーパーが開店した事で、店の売上が激減し、閉店する事を決断しました。そして、その二週間後には婦人服プレスの仕事を友達の紹介で初める事を決め、それ以来、ゴルフ、競馬、パチンコなどの遊びを全てやめました。家は、新築ばかり3軒買って生活させてもらいました。二軒目と三軒目を購入する過程で(子供の教育費の支払いもあり)、スナックに行く事も喫茶店に行く事も全てやめました。55年間吸っていたタバコも、一週間でやめてしまいました。主人の責任感や根性には本当に驚かされます。今は肺がんと闘っていますが、我々夫婦は、子供たちのおかげでゆっくりとさせてもらっています。すごく幸せです。
正見さん、後何年か二人で病気と闘いましょうね。
Family’s Photo
ご家族メッセージ
親父さん、あなたの長男は小さい時は出来が悪かったね。この間、おかんに和花の教育について相談したら「どはははは、時が来るのを待ちなはれ。あんたみたいに何とでもなる」と言われたよ。親父さんは、イライラしたんやろうな、怖かった。でも、カミナリを落とした後にはすぐに優しくなった。今、父親になって、あの時のあなたの気持ちがとっても分かる。親って難しいなって、この歳になって分かった。和花は、じいじが大好きだ。それがとても嬉しい。とっても遅くなったけど、彼女が生まれて、本当によかった。もしかしたら、一番の親孝行だったのかも。親父もいつか天国に行くのだろう。おふくろ、あなたの娘家族、あなたの妹、そして俺の家族。心配は全く要らない。全部お任せあれ。ほな。 健二
小さい頃、お父さんは怖かった。すごい勢いで怒られた(笑)でもある時から酷く怒られることはなくなった(笑)今でも覚えている。5年生になった時だった。お父さんの性格を良くわかっているから、きっと何か決意したんだろうなと思ってる(笑)でも、そんなことを笑えるのも、それ以上に愛情を当たり前に十分以上にそそいでもらっていたからだろう。何を書こうかと思い悩んでも、結局伝えたいことはシンプルだったよ。当たり前に育った環境が、当たり前にもらった愛情が、どれだけ恵まれていたか、どれだけ幸せなことであったのか。それが当たり前であるように、兄や私の人生に素晴らしい彩りを与え、今もなお大きな優しさで包む両親へ。あなたの子供でよかった。そしてありがとう。 由香里
いつも向けられる気遣いの心に、沢山助けられています。 博暁
明るく優しく笑いの絶えない日置家の一員になれて、こんな幸せなことはありません。一家の要のお父さんのおかげです。 恵美子
小学校の学校終わりに毎日迎えに来てくれたこと、今思い返すと感謝でしかないです。じいじ、ありがとう。 愛唯
いつもわーちゃんのことをたくさんおもってくれてありがとう。じいじとおふろにはいるの、とってもたのしいよ。じいじ、だいすきだよ。 和花
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